カテゴリー: お酒の知識とカクテル

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  • 無色透明の奥深さ。「ウォッカ」を銘柄で選ぶ、バーでの粋な楽しみ方

    無色透明の奥深さ。「ウォッカ」を銘柄で選ぶ、バーでの粋な楽しみ方

    ウォッカは「個性のない」お酒なのか?

    「ウォッカとは何か?」と聞かれれば、多くの人が「癖がなくて、何にでも合うお酒」と答えるでしょう。
    確かにその通りで、カクテルのベースとして主役を立てる「究極の黒子」としての役割がほとんどです。
    私自身基本はSMIRNOFF Vodkaの青色を普段使用し、どのカクテルも美味しいものを作れていた記憶です。
    副材料の邪魔をしないんですよね。

    しかし、その中にもバーテンダーが「これは違う」と敬意を払う銘柄がいくつか存在します。
    今日はその代表的な3つをご紹介します。

    ウォッカマティーニ

    1. ロシアの誇りを継ぐ「ストリチナヤ(現:ストリ)」

    ウォッカの本場、ロシア産の代表格です。
    現在は「ストリ」という名称で親しまれています。
    非常にクリアでキレが良く、カクテルにした時に副材料の味をピシッと引き締めてくれる、プロが最も信頼を寄せる銘柄の一つです。

    Stoli Vodkaの公式サイトはこちら

    2. バーテンダー指定の定番「アブソルート」

    スウェーデン産のアブソルートウォッカ。
    スタイリッシュなボトルのデザインを見たことがある方も多いはずです。
    雑味がなく、非常にスムースな口当たりが特徴で、カクテルレシピで銘柄指定されることも多い、世界標準の一本です。

    Absolute Vodkaの公式サイトはこちら

    3. 桜餅の香りがする!?「ズブロッカ」

    今回、私が最も知ってほしいのがポーランド産の「ズブロッカ」です。
    ボトルの中に一本の草(バイソングラス)が入っているのが特徴です。
    これを一口飲んでみると、驚くはず。
    「桜餅」のような、甘く芳醇な香りが鼻を抜けていくのです。

    zubrowkaの公式サイトはこちら

    楽しみ方の提案:ズブロッカを「ロック」で

    ズブロッカロック

    カクテルのベースとして使われることが多いウォッカですが、このズブロッカに関しては、ぜひロックで頼んでみてください。
    氷が少しずつ溶け出し、香りが開いていく過程を楽しむ。
    それは「無味無臭」というウォッカのイメージを180度覆す、贅沢な体験になるはずです。

  • ジンとは。ウォッカとの違いと使い分けの美学

    ジンとは。ウォッカとの違いと使い分けの美学

    結局、ジンとは何なのか?

    「ジンの歴史」や「製造方法の詳細」をここで長々と語るつもりはありません。
    今の時代、正確なデータはAIがすぐに教えてくれますからね。

    もしあなたが誰かに「ジンって何?」と聞かれたら、今後はこう答えてみてください。
    「ジュニパーベリー(ネズの実)で香り付けをした、蒸留酒のことですよ」 これだけで十分です。
    農作物由来のスピリッツに、ジュニパーベリーの香りを纏わせる。
    もしこの香りがなく無味無臭であれば、それは「ウォッカ」の領域になります。

    「ドライ」なロンドン、それ以外の個性

    味の傾向を聞かれたら、こう整理しましょう。
    「ロンドンドライジンは名前の通り辛口(ドライ)でキレがあるもの」それで十分です。
    他のジンに興味が出てくれば、様々なボタニカルのあるジンをバーテンダーに聞いてみましょう。
    まずはドライ・ジンというものがあるということだけ。

    バーテンダーがジンを手に取る「3つの理由」

    ジン&ウォッカ

    マティーニ、ホワイトレディ、ジントニック……。数多くのスタンダードカクテルで主役を張るジンですが、私がオリジナルカクテルを考案する際、ジンをベースに選ぶのには明確な「条件」がありました。

    1. 清涼感を際立たせたい時
      ジュニパーベリーの香りは、圧倒的な清涼感をもたらします。最初の一杯に相応しいジントニックがその最たる例です。
    2. 香りに「奥行き」と「変化」をつけたい時
      ウォッカでは少し味気ない。かといってラムやテキーラでは主張が強すぎる。そんな時、複雑なボタニカル(香草)の香りが、カクテルに立体感を与えてくれます。
    3. 「透明感」のある色合いを狙いたい時
      副材料の透明度を活かしたい時、あるいは宝石のように澄んだ色を表現したい時、無色透明なジンは最高のパートナーです。

    ウォッカとジンの使い分け:プロの微調整

    例えば「紫色のカクテル」を作る場合を考えてみましょう。 ぶどうリキュールやパルフェ・タムールを使用する際、メインのアルコールをどう選ぶか。

    • ウォッカを選ぶ時: リキュールの風味(ぶどうのような甘さや香り)をダイレクトに、かつクリアにアルコール度数だけ上げたい場合。
    • ジンを選ぶ時: ベーススピリッツ自体のボタニカルな香りとリキュールを調和させ、エッセンスの層を厚くしたい場合。

    このように、プロのカウンターでは「何をメインに感じさせたいか」によって、1オンスの透明な液体を使い分けています。

    ジントニック制作中

    結びに

    正解は一つではありませんが、この記事を読んだあなたが次にバーでジントニックを頼む時、「この清涼感はジュニパーベリーの魔法なんだな」と少しでも感じてもらえたら嬉しいです。