「美味しくない」ではなく「好みを更新する」
バーテンダーにとって、お客様に提供した一杯が「合わなかった」と知るのは、実はそれほどショックなことではありません。
一番怖いのは「何が嫌だったのか分からず、二度と来てもらえないこと」だからです。
大切なのは、その一杯を全否定するのではなく、「自分の情報をバーテンダーに共有する」というスタンスです。

パターン1:味・香りが合わない時
「これ、美味しくないです」という言葉は、バーテンダーの技術と情熱を真っ向から否定してしまいます。
代わりに、「特定の要素」にスポットを当ててみましょう。
- 香り:
「このお酒特有の香りが、少し苦手みたいで・・・」と伝えてください。
お酒本来の特性に対する感想なら、バーテンダーも「なるほど、次は別のベースで組み立てよう」と前向きになれます。 - 味:
「グレープフルーツの苦味が、実は少し得意ではなくて」という風に、「自分の苦手な材料」として伝えます。
これはバーテンダーにとって貴重なデータとなり、次の一杯(あるいは作り直し)を劇的にあなた好みに変えるヒントになります。
パターン2:アルコール度数・バランスが合わない時
度数に関しては、遠慮なく正直に伝えて大丈夫です。
プロでも初対面のお客様の「適正度数」を完璧に当てるのは至難の業だからです。
- 粋な提案:
「味はすごく好きなんです。
ただ、私には少しアルコールが強くて。
これを炭酸やジュースで少し伸ばして(ロングにして)もらえますか?」
この伝え方なら、バーテンダーの味作りを褒めつつ、今の自分に最適な状態へ調整してもらえます。
パターン3:見た目や衛生面が気になる時
グラスが汚れている、液だれしているといった「物理的な不備」は、勇気を持って指摘しましょう。
それはバーテンダーの成長のためでもあります。
一方で、「デコレーションのデザインが好みでない」といった感覚的な部分は、その場では飲み込み、次回は別のバーテンダーを指名するか、別の店を探すのが大人のマナーです。
結びに:バーテンダーは「答え」を探している

バーテンダーは、あなたにとっての「正解」を常に探しています。
「合わない」と伝えることは、決して失礼なことではありません。
うまく言葉を濁しつつ、あなたの「好き・嫌い」をプロに預けてみてください。
そのやり取りこそが、バーでの会話の醍醐味なのですから。




























