投稿者: hik

  • 【自分へのご褒美】一期一会の出会いを贈る。プロが勧める「ボトラーズウイスキー」の贅沢

    【自分へのご褒美】一期一会の出会いを贈る。プロが勧める「ボトラーズウイスキー」の贅沢

    最高の報酬は、まだ見ぬ「一滴」

    仕事が一段落した時、あるいは人生の節目に。
    自分へのご褒美として少し良いお酒を買うなら、私は全力で「ウイスキー」、それも「ボトラーズボトル」をおすすめします。
    ワインやブランデーも素敵ですが、ウイスキーには「時間と偶然」が詰め込まれた、唯一無二のロマンがあるからです。

    「ボトラーズ」とは、ウイスキーのプロデューサー

    そもそもボトラーズとは、蒸留所からウイスキーを「樽ごと」買い取り、自社の倉庫で熟成させ、独自のタイミングやデザインで瓶詰めする独立系瓶詰業者のことです。

    • 一期一会の味わい:
      同じ蒸留所のお酒でも、ボトラーが「30年熟成させたらどうなるか?」と試行錯誤したものや、スモーキーな原酒を独自にブレンドしたものなど、オフィシャルにはない驚きがあります。
    • デザインの美しさ:
      イタリア向けにデザインされたアーティスティックなラベルなど、飾っておくだけで絵になるボトルが多いのも魅力です。
    様々なウイスキー

    私が愛してやまない名門ボトラー

    数あるメーカーの中でも、まずはゴードン&マクファイル(G&M)をチェックしてみてください。
    ボトラーズ界の老舗であり、その品質と熟成技術は世界中の愛好家から絶大な信頼を寄せられています。
    他にも、重厚なラインナップを誇るダグラスレインや、
    ボタニカルなラベルが美しいハンターレインなど、選ぶ楽しみは尽きません。

    自分の歴史を重ねる「バースデーヴィンテージ」

    もし、自分への特別なギフトにするなら、「自分と同じ年に蒸留されたボトル」や、「自分の年齢と同じ熟成年数のボトル」を探してみるのも一つの楽しみです。
    ウイスキーが樽の中で眠っていた年月と、自分が歩んできた時間を重ね合わせながら飲む一杯は、格別の味がします。

    至高の一杯

    結びに

    ボトラーズウイスキーとの出会いは、まさに一期一会。
    一度飲み干せば二度と同じ味には出会えないかもしれません。
    だからこそ、その一本を開ける夜は、あなたにとって最高に贅沢な時間になるはずです。

  • 心まで解ける一杯。プロが教える「ホット・ハニーレモネード」の黄金比

    心まで解ける一杯。プロが教える「ホット・ハニーレモネード」の黄金比

    凍える夜の「飲む毛布」

    最近より一層寒くなってきましたね。
    外から帰ってきて、体が芯まで冷えているとき。
    あるいは、寝る前のひととき。
    そんな時に私がおすすめしたいのが「ホット・ハニーレモネード」です。
    はちみつの優しい甘さとレモンの鮮烈な酸味は、お酒を飲まない夜でも、カクテルを飲んでいる時のような深い充足感を与えてくれます。

    決め手は「フレッシュ」と「黄金比」

    家で作る際、ぜひこだわってほしいのが「生のレモン」を使うことです。
    ボトルの果汁では出せない、あの鼻に抜ける爽やかな香りが、温めることでさらに豊かに広がります。

    私がお勧めする基本的な黄金比はこちらです:

    • フレッシュレモンジュース: 20ml(約半分個分)
    • はちみつ: 15ml〜20ml(お好みで調整)
    • 熱湯: 140ml〜160ml

    個人的には、先に少量の熱湯→蜂蜜でしっかり混ぜ合わせます。
    そうすることで底に溜まって混ぜるのに時間がかかることがなくなります。
    次にレモンジュース、最後に熱湯で満たし、もう一度軽くステアするだけで、プロの味に近づきます。

    蜂蜜

    バーテンダー流、さらに美味しくする「ひと工夫」

    これだけでも十分美味しいですが、さらに「奥行き」を出したい時は、こんなアレンジを試してみてください。

    • スライスレモンを浮かべる:
      皮からのオイル(精油)が香りを一層華やかにします。
    • シナモンスティックを一枝:
      温かみのあるスパイシーな香りが加わり、冬の気分が盛り上がります。
    • 少量の塩:
      ほんのひとつまみの塩を加えることで、はちみつの甘みが引き立ち、味が引き締まります。

    結びに

    ホット・ハニーレモネードは、風邪の引き始めや、喉を労わりたい時にも最適です。

    ナイトキャップ

    忙しい一日の終わりに、蒸気と一緒に立ち上るレモンの香りをゆっくり吸い込んでみてください。
    きっと、固まっていた心もふんわりと解けていくはずです。

  • お酒の相棒を揃えよう。一杯のクオリティを支える「必須の副材料」リスト

    お酒の相棒を揃えよう。一杯のクオリティを支える「必須の副材料」リスト

    カクテルの味は「副材料」で決まる

    ホームバーで本格的なカクテルを楽しもうと思ったとき、実はお酒(ベース)以上に大切なのが、一緒に混ぜる「副材料」です。
    これらを常備しておくだけで、急な来客やその日の気分に合わせた一杯が自由自在に作れるようになります。

    1. 鮮度が命:シトラス果汁

    まずは、前回の「搾り器」の記事でも触れた、レモンジュースライムジュースです。
    これらは必ず「フレッシュ(生)」を用意しましょう。
    搾りたての鮮烈な酸味と香りは、ボトルの果汁では決して出せません。
    ジントニックやサイドカーなど、多くのカクテルの骨格を担います。

    2. フルーツの彩り:ジュース類

    お酒と相性の良い定番ジュースをストックしておきましょう。

    • オレンジ・グレープフルーツ:
      スクリュードライバーやソルティドッグなど、朝食から夜まで活躍します。
    • パインジュース:
      これがあるだけで、南国気分の「トロピカルカクテル」が作れます。
      少し甘みと厚みが欲しいときに重宝します。
    • 牛乳:
      実はカクテルにおいて優秀な副材料です。
      カルーアミルクだけでなく、ブランデーと合わせれば濃厚な「アレキサンダー」が楽しめます。
    milk, pineJuice

    3. 泡の魔法:炭酸・割り材

    シュワッとした爽快感を生む炭酸類は、カクテルの「伸び」を作ります。

    • 炭酸水:
      迷ったらこれ。ハイボールやフィズに。
    • トニックウォーター:
      独特の苦味と甘みが、ジンやウォッカを格上げします。
    • コーラ・ジンジャーエール:
      ラムやウイスキーをカジュアルに楽しむために必須です。
    • 7up(またはキリンレモン):
      無色透明のレモンライムソーダ。
      スピリッツを爽やかに割りたい時、トニックより甘く、炭酸水より飲みやすくしたい時に最適です。
    cola, tonic, 7up

    結びに

    これらすべてを一気に揃える必要はありません。
    まずは自分が好きなカクテルを一つ決め、それに必要な副材料から買ってみてください。
    冷蔵庫の中に新鮮なライムと数本の炭酸水があるだけで、あなたの家のキッチンは、もう立派な「バーカウンター」です。

  • 通が知る「食後酒」の愉しみ。グラッパとマール、残されたブドウの魂

    通が知る「食後酒」の愉しみ。グラッパとマール、残されたブドウの魂

    ブランデーの兄弟?グラッパとマールのユニークな世界

    前回、ブランデーの奥深さをお話ししました。
    ブランデーはブドウの果汁を発酵させて造られますが、「グラッパ」や「マール」は少し違います。
    これらは、ワインを造った後に残る「ブドウの搾りかす(果皮や種)」を再利用して造られる蒸留酒なのです。
    イタリアでは「グラッパ」、フランスでは「マール」と呼ばれ、それぞれがその土地の個性を映し出しています。

    「食後酒の女王」と呼ばれる理由

    グラッパやマールは、食後の消化を助ける「ディジェスティフ(食後酒)」として親しまれています。
    食後にゆっくりと、ストレートで味わうのが一般的です。

    • 独特の香り:
      ブドウの品種や搾りかすの質によって、青々しいブドウの香り、花の香り、時にはハーブのような複雑な香りを持ちます。
    • クリアな味わい:
      無色透明なものが多く、熟成させたブランデーとは異なる、素材そのもののピュアな風味を感じられます。
      熟成させたものは、琥珀色を帯び、よりまろやかな口当たりになります。
    グラッパ

    バーテンダーの視点:グラッパとマールを選ぶ時

    カウンターでグラッパやマールを注文されるお客様を見ると、「おっ、通だな」と思いますね。
    私もお客様におすすめする際は、その日の気分や食事の内容に合わせて、数種類の中から香り立ちの良いものを選びます。
    少し冷やしてキリッと飲んだり、手のひらで温めて香りを立たせたりと、温度によっても表情を変えるのが面白い点です。

    これらはカクテルベースとして使うことは稀で、その独特の香りをストレートで楽しむのが主流です。
    とはいえ注文がなかったわけではありません。
    そんな時はおおよそブランデーと同じ扱いで調合しつつ、独特の香りを失わないよう副材料は最低限に絞ります。
    多くて2種類位で良いでしょう。
    土地産のワインと合わせてみても会話が広がりそうですね。

    ブランデーとの違い:ブドウの「残り物」が持つ無限の可能性

    ブランデーが「ブドウの果汁(エッセンス)」を凝縮するのに対し、グラッパやマールは「ブドウの固形物(ボディ)」から生命を吹き込みます。
    この「残り物から生まれる美学」こそが、グラッパやマールの最大の魅力です。
    ブドウ農家が、丹精込めて育てたブドウを最後まで無駄にしない、そんな職人の魂を感じさせるお酒でもあります。

    香り豊かなお酒

    結びに

    「食後のデザートはちょっと重いな」という夜に、ぜひグラッパやマールを試してみてください。
    ブドウの香りが口いっぱいに広がり、食後の余韻を上品に締めくくってくれるでしょう。

  • バーテンダーとの会話、どう始める?「何を話せばいいか」の不安を解消する、魔法の第一声

    バーテンダーとの会話、どう始める?「何を話せばいいか」の不安を解消する、魔法の第一声

    「無理に」しなくていい

    まず知っておいてほしいのは、バーテンダーはお客様が「静かに過ごしたいのか」「話したいのか」を常に察しようとしているということです。
    無理に話しかけなきゃ、と身構える必要はありません。
    でも、もし「少しお話してみたいな」と思ったら、これから紹介するいくつかの方法を試してみてください。

    1. 魔法の言葉は「美味しい」の一言

    最も自然で、かつバーテンダーが最も嬉しいのは、提供されたお酒を一口飲んだ後の「美味しいです」という一言です。
    「これ、何のベースですか?」「この香りは何ですか?」と、目の前の一杯をきっかけにするのが一番スムーズです。
    自分の作ったものを褒められて嫌な気分になるバーテンダーはいません。
    そこから自然と、お酒の知識や裏話に会話が広がっていきます。

    出されたカクテル

    2. 「実体験」をさらけ出す

    以前も少し触れましたが、知識を語るよりも「今の自分」を伝えるのがスマートです。

    • 「実は今日、初めてバーに来たんです」
    • 「いつもはビールなんですけど、今日はおすすめを教えてほしくて」

    このように、自分の状況や好みを素直に伝えてみてください。
    私たちは「この人にバーを好きになってもらおう!」と、全力であなたの味方になります。

    3. 道具やバックバーに興味を持つ

    もしお酒のことが分からなくても、目の前にある「綺麗なグラス」や「並んでいるボトルのラベル」について尋ねるのも良い方法です。
    「あの青いラベルのボトルは何ですか?」
    「奥にあるウイスキーは何ですか?」
    バーにあるものすべてに、バーテンダーのこだわりが詰まっています。
    そこを突かれると、ついつい語ってしまうのがバーテンダーの性(さが)なのです。

    4. 「聞く」と「話す」の黄金バランス

    会話が始まったら、バーテンダーが他のお客様の注文を作っている間は、そっと会話を止めてお酒を味わう。
    ステア・シェイクをしている時は話しかけないほうがいいでしょう。
    そして、手が空いたタイミングでまた一言。
    この「バーテンダーの仕事の波」に合わせた会話ができるようになると、あなたも立派な「常連」の振る舞いです。

    ステア中は話さない

    結びに

    バーテンダーとの会話は、お酒をより美味しくするための「最後の副材料」です。
    肩肘を張らず、まずは目の前の一杯への感想から始めてみませんか?

  • カクテルの味は「音」で決まる。プロが語るシェイクの真髄と練習風景

    カクテルの味は「音」で決まる。プロが語るシェイクの真髄と練習風景

    華麗なシェイクの裏に隠された「地道な練習」

    バーテンダーの象徴とも言える、シェイカーを振る姿。
    その華麗なパフォーマンスの裏側には、地道で、時に孤独な練習があります。
    私自身、開店前や閉店後も、バーカウンターの鏡の前でひたすらシェイカーを振る日々でした。
    その目的は、単に「カクテルを冷やす」だけではありません。

    鏡で練習

    氷一つが語る「カクテルの完成度」

    シェイクの目的は「材料を混ぜ合わせ、いかに氷を溶かさず、カクテルを冷やすか」です。
    そして、この「いかに溶かさず」が最も難しい。
    そして何十杯も作る日常で後半も同じレベルで提供する必要があるため、体力、筋持久力も必要です。

    シェイカーに氷を満タンに入れ、その氷が完全に溶けるまで振り続ける。
    それが、私が最初に課された最低限の練習でした。
    さらに、シェイカーに氷を一つだけ入れて振る練習も欠かせません。
    このたった一つの氷がシェイカーの内壁をスムーズに回転する「感触」を指先に、そして「音」を耳に叩き込むのです。

    シェイカー満タンの氷

    「カンカン」ではダメ。「ゴロゴロゴロ」が理想の音

    私の持論ですが、シェイカーを振った時に「カンカンカン」と、氷が一方方向にぶつかる硬い音がするのは、まだ未熟です。
    本当に上手に混ざり合っているカクテルは、シェイカーの中で氷が大きな塊となって前後するのではなく、複数の氷がシェイカーのカーブに沿って「グルン、グルン」と立体的に回転します。
    その時に響くのは、氷が重なり合うような、まるで滝が流れるような「ゴロゴロゴロ」という、深く、連続的な音。
    この音を聞けば、中身の冷え具合、混ざり具合、そして氷の溶け具合が、ある程度はバーテンダーに伝わってくるものなのです。

    「基本」の先に生まれる、バーテンダーの個性

    カクテルによってシェイクの時間や強さ、混ぜ方も大きく変わります。
    しかし、この「氷の音を聞き分ける」基本さえマスターしていれば、あとはどんな個性的な振り方でも構いません。
    大きく力強く振る人、脇を締め祈るように振る人……。
    それぞれが目指すカクテルの味を追求し、独自のスタイルを生み出します。

    次にバーを訪れた際は、ぜひシェイクの「音」に耳を傾けてみてください。
    その音の中に、バーテンダーの技術と、カクテルへの想いが詰まっていることに気づくかもしれません。

  • 一杯の味が激変する。「生搾り」のためのスクイーザー選びと、プロの搾り方

    一杯の味が激変する。「生搾り」のためのスクイーザー選びと、プロの搾り方

    ボトル果汁と「生搾り」の決定的な違い

    ホームバーを始めた方が、次にこだわるべきは「酸味」です。
    スーパーで売られているボトルのレモン・ライム果汁は便利ですが、どうしても加熱殺菌による風味の変化や、保存料の香りが気になります。
    本物のカクテルの華やかさを再現したいなら、ぜひ「搾り器(ジューサー)」を手に入れて、生の果実を搾ってみてください。

    スクイザーで準備

    最初の一台は「定番の形」でいい

    搾り器には様々な形状がありますが、まずはドーム状の突起に果肉を押し当てて回す、一般的なタイプ(手動ジューサー)で十分です。
    これが一つあるだけで、カクテルだけでなく、お刺身にスダチを搾ったり、唐揚げにレモンを添えたりと、料理のシーンでも大活躍します。

    プロが教える「ギリギリ」を狙う搾り方

    搾る際には、大切なコツがあります。
    それは「身と皮の間」を狙うことです。

    • 皮まで搾りすぎない:
      皮に含まれる油分やエグみまで出し切ってしまうと、カクテルに嫌な苦味が混ざります。
    • 身だけで終わらせない:
      控えめすぎると、ライム特有の「厚み」が出ず、味気ない仕上がりになります。

    その境界線のギリギリを狙って、力を入れすぎず、かつしっかりと果汁を出し切る。
    この繊細な加減が、最高の一杯を作ります。

    【追加ポイント】搾る直前に「常温」に戻す

    冷蔵庫から出したての冷たいレモンよりも、少し常温に戻してから搾るほうが、果肉がほぐれて多くの果汁が取れます。
    また、搾る前にまな板の上で軽くゴロゴロと転がしてあげると、さらに搾りやすくなりますよ。

    結びに

    「たかが果汁」と思われるかもしれませんが、カクテルの半分以上を占めるのは、お酒ではなく「割り材」です。
    新鮮な果実の香りが立ち上る一杯は、それだけであなたを非日常へ連れて行ってくれます。

    レモンジュースをグラスに注ぐ
  • 香り、色、そして歴史。ブランデーが「お酒の芸術品」と呼ばれる理由

    香り、色、そして歴史。ブランデーが「お酒の芸術品」と呼ばれる理由

    ブランデーは「果実の魂」

    ブランデーを一言で言えば「果実酒(主に白ワイン)を蒸留して樽で寝かせたもの」です。

    「コニャック」や「アルマニャック」という名前を耳にしますが、これらはフランスの特定の地方で作られたブランデーの呼称です。
    シャンパンが特定の地方のスパークリングワインを指すのと同じですね。

    熟成年数と呼び名(格付け)のルール

    ボトルに書かれたアルファベットは、熟成の長さを表しています。
    一般的な目安をまとめました。

    呼称意味特徴
    V.S.Very Special熟成2年以上。フレッシュでカクテル向き。
    V.S.O.P.Very Superior Old Pale熟成4年以上。香りが立ち始め、ストレートでも。
    Napoleonナポレオン熟成6年以上。深いコクと歴史を感じる重厚感。
    X.O.Extra Old熟成10年以上。非常に複雑で豊かな香りの到達点。
    Hors d’âgeオル・ダージュ「年齢を超越した」の意。最高級の熟成品。
    (現在はX.O.と同等以上)

    バーテンダーの視点:ブランデーを「色」と「香り」で操る

    私がカクテルを作る際、ブランデーは「サイドカー」や「アレキサンダー」のように、甘く柔らかい一杯に仕上げる時によく選びました。

    ただし、注意が必要なのはその「深い真紅(琥珀色)」です。
    非常に色が強いため、他の色と合わせづらい。
    あえて色を活かして赤や青系と合わせるか、ミルクやチョコレートで濁らせてしまうのが正解。

    また、個人的には過度な酸味はあまり。ライムジュースなんかをオリジナルカクテルで使ったこと無いですね。

    何より、豊かな香りを壊さないよう、程よいシェイクで空気を含ませ、香りを「開かせる」ことが大切です。

    最高のナイトキャップ(寝酒)として

    Brandy & Chocolate

    ブランデーは温めても美味しいお酒です。
    おやすみ前に少し温まったグラスで香りを楽しみながら飲む一杯は、最高の癒やしになります。

    また、ブランデーはチョコレートとの相性が抜群です。
    食後にしっとりと、少し贅沢なチョコと一緒に楽しむ時間は、大人だけの特権と言えるでしょう。

    飾りたくなる「ボトルの意匠」

    ブランデーはボトルそのものが美術品のように美しいものが多いです。
    飲み終わった後も、瓶だけで売買されることもあるほど。
    お気に入りのボトルを残しておき、別のお酒を入れたり、ライトを当てて飾るのもホームバーの楽しみの一つです。

    様々な意匠

    次回は、同じブランデーの仲間でも少し変わった「グラッパ」や「マール」についてお話しします。

  • 【保存版】バーで「残念な客」にならないためのNG集。プロが明かす、最高の一杯を引き出すマナー

    【保存版】バーで「残念な客」にならないためのNG集。プロが明かす、最高の一杯を引き出すマナー

    最高のカクテルは「相互の敬意」から生まれる

    「お客様は神様」という時代は終わりました。
    バーは、バーテンダーとお客様が共に心地よい空間を作り上げる場所。あなたが謙虚に、敬意を持って接することで、バーテンダーのスイッチが入り、本当に美味しい「本気の一杯」が届くようになります。
    今回は、知らずにやってしまいがちな「NG行為」をご紹介します。

    1. 写真撮影は「一言」がルール

    SNS全般の時代ですが、バーはプライベートな空間。
    他のお客様のプライバシーを守るためにも、カメラを出す前に「写真を撮ってもいいですか?」と一言伺いましょう。
    ほとんどの場合、他の方が映らなければ快諾されます。

    2. 避けるべき「3つの話題」

    バーには「宗教・政治・野球」の話は持ち込まないという暗黙の了解があります。
    これらは熱くなりやすく、隣のお客様と意見が対立してトラブルになりやすいためです。
    誰もが穏やかに過ごせるよう、これらはカウンターの外に置いておきましょう。

    3. 大声で「すみません!」と呼ばない

    バーテンダーは常にあなたの動向を見ています。
    声を張り上げるより、少し視線を送ってみてください。
    それだけで「何かご用ですか?」と声がかかるはず。
    その「少し待つ」時間もバーの楽しみ方です。

    4. バーテンダーを「バーテン」と呼ぶのはNG

    よく耳にしますが、実は「バーテン」は蔑称(べっしょう)に近いニュアンスを含みます。
    語源には諸説ありますが、かつて「バーの丁稚(でっち)」や「バーの店員(てん)」を略した、投げやりな呼び方として定着した歴史があります。
    私たちは「Bar(木)-Tender(優しい・世話役)」、つまり「優しい止まり木」でありたいと願っています。
    ぜひ略さずに「バーテンダー」と呼んでください。

    Bartender

    5. 知識自慢より「実体験」を語る

    バーテンダーにお酒の知識を披露する必要はありません。
    あなたが知識を語れば、私たちはプロとして「よくご存知ですね」と合わせますが、心の底では少し残念に思っています。
    それよりも、「蒸留所に行ってきた」「ワイナリーでこんな景色を見た」という実体験を聞かせてください。
    たとえ知識が間違っていても、お酒への愛情が伝わるお話は、私たちにとって何より貴重で、会話を弾ませる最高のスパイスになります。

    ワイナリー&蒸留所

    6. 騒ぐお客様には「普通のお酒」しか届かない

    カクテルは繊細です。
    私たちは気温や湿度、その日のレモンの酸味に合わせて、シェイクの回数や分量を1ml単位で調整しています。
    しかし、店内の空気を乱すように騒がれると、その「本気の調整」を届けるのが難しくなり、結果として「とりあえず冷えただけのお酒」になってしまうかもしれません。
    最高の一杯が飲みたければ、そのお店の「音」に馴染むことが近道です。

    バーで賑やかに

    いくつかご紹介しましたが、これは私が上司から指導していただいたものや、個人的に経験からのものとなります。
    全てが正しいわけではないかもしれませんが、考慮いただくに越したことはないかなと思ってます。
    是非悩んだら、お気に入りのお店でバーテンダーに聞いてみてくださいね。

  • 「おっ、通だな」と私たちが密かに感銘を受ける、お客様のさりげない振る舞い

    「おっ、通だな」と私たちが密かに感銘を受ける、お客様のさりげない振る舞い

    「通」とは、知識の量ではない

    よく「珍しいウイスキーを知っている」「カクテルのレシピに詳しい」ことが「通」だと思われがちですが、バーテンダーの視点は少し違います。
    私たちが「この人、通だな」と感じるのは、知識のひけらかしではなく、その場に馴染む「振る舞い」の美しさにあるのです。

    注文までの「間(ま)」が心地よい

    入店してすぐ、メニューも見ずに「マティーニ」と頼むのは、一見かっこよく見えます。
    しかし、本当の通はまず「お店の空気を読む時間」を大切にします。
    お絞りで手を拭い、一息ついてから、ゆっくりとメニューを開く。
    あるいは、バーテンダーが他のお客様のオーダーで忙しそうなら、そっと視線を外して待つ。
    この「待てる余裕」こそが、バーという空間を深く理解している証拠です。

    「味の変化」を楽しんでいる

    カクテルが提供された瞬間、すぐに飲み干してしまうのではなく、まずは一口飲んで、少し時間を置いてからまた一口。
    氷がわずかに溶けて味が開いていく過程や、手の温度で変化する香りをじっくりと味わっている姿を見ると、「お酒そのものと対話しているんだな」と嬉しくなります。
    私たちはその様子を見て、2杯目の提案をさらに高いレベルへ引き上げようと準備を始めます。

    マティーニを飲んでいるグラス

    グラスの置き方が静か

    これは非常に細かい点ですが、飲み終えたグラスをカウンターに置く際、音が全くしないほど静かに置くお客様。
    これは、バーの静謐な環境を壊さないという「周囲への配慮」であり、バーテンダーや他のお客様への敬意でもあります。
    その静かな「カタン」という音(あるいは無音)に、私たちはその方の品格を感じ取るのです。

    「任せる」勇気を持っている

    自分の好みを2〜3単語(「さっぱりしたものを」「今日は少し重めで」など)だけ伝え、あとは「お任せします」と委ねてくださる方。
    これは、バーテンダーの技術を信頼してくださっているというメッセージです。
    その信頼に応えようと、私たちは持てる知識を総動員して、最高の一杯を仕立てます。

    メニューを選ぶ

    結びに

    バーでの「通」とは、バーテンダーにとって「話しやすい、かつ、お酒を大切にしてくれる人」のこと。
    背伸びをする必要はありません。空間を楽しみ、お酒を慈しむ。
    その自然体な姿こそが、何よりも「通」に見える近道なのです。