画面の光が遮る「対話」のチャンス
バーのカウンターで何をすればいいか分からず、ついスマホを触ってしまう。
現代ではよく見る光景ですし、決して禁止されているわけではありません。
しかし、これだけは知っておいてください。
スマホに没頭しているお客様に対し、バーテンダーからお声がけをすることは、まずありません。
それは「自分の世界を楽しみたい」というお客様の意思表示だと私たちが受け取るからです。
「声をかけてほしいから、あえてスマホを触っている」という方も時折いらっしゃいますが、残念ながらそれではプロの「気遣い」という名の壁を突破することは難しいのです。
昼の読書、夜のパソコン
スマホ以外の「作業」についても、時と場合によります。
例えば、陽の光が差し込む昼下がりのバー。
新聞や本を広げて一杯愉しむお客様は、むしろ大歓迎です。
なぜなら、バーテンダーにとって昼は夜に向けた大切な「仕込み」の時間。
読書に集中してくださるお客様は、お互いに心地よい距離感を保てるパートナーでもあります。
一方で、夜のメインタイムにパソコンを広げての仕事は、あまりおすすめしません。
画面の強い光はバーのムードを壊しますし、何より「日常(仕事)」を「非日常(バー)」に持ち込むのは、少し野暮というものです。

「常連」という特権と周囲への配慮
もちろん、馴染みの店で「いつもの席」を確保している常連さんであれば、少しの仕事や作業は許容されることもあるでしょう。
しかし、それもバーの形態や厳格さによります。
初めて訪れる店では、まずその場の「ルール」を観察することが先決です。
(※カクテルの写真を数枚撮る程度であれば、多くの店で快く受け入れられますが、確認の一言があるとさらにスマートです)
スマホを置いて、「今」を味わう贅沢
もしあなたがバーテンダーとの会話や、その場の空気そのものを楽しみたいのであれば、思い切ってスマホをポケットに仕舞ってみてください。
目の前で氷が削られる音、グラスの中で踊る気泡、隣の席から漏れ聞こえる人生の断片。
スマホの画面からは得られない豊かな情報が、バーには溢れています。
デジタルから離れ、琥珀色の液体と共に流れる「時間」そのものを愉しむ。
それこそが、バーという場所が提供できる最高の贅沢なのです。


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